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アマリングが消したくてたまらない?

バイクに乗っているとよく耳にする「アマリング」 アマリングって結局何なんだろう。

今回はアマリングについて一人語ります

 

そもそもアマリングとは一体?

簡単に言えば、そこまでタイヤが接地していないという証。前回軽く触れたように、タイヤの表面には硬化防止剤が塗られている。それが剥がれると色が変わる。つまりどれだけタイヤが地面に接しているか、すなわちバイクをどれだけ倒せているかの基準の一つになっているもの。特にリアタイヤ。目立つっていうのも理由の一つですが、フロントはまず端まで使えないという前提があるから。

あんまり関係ないけどちょっと前に売ってたメッツラーのSportec M5のトレッドには、バンク角インジケーターが刻んであったんですよ。しかもご丁寧にライダーのフォームまで。それだけアマリングを気にする人が多かったんでしょうね。懐かしいなぁ。自分も端まで削ろうと頑張ってた時期がありました。

でも、ちょっと乗っていると「バンク角=アマリングの広さ」ではない事に気づいた。そこからもう少し考えると、「アマリングが無い=上手い」とはならない事に気づいた。当時の自分は速度が速ければバンク角も増えて、結果アマリングも消えていくという考えでした。

色々試した結果、速度が出ていなくても、更にはフルバンクさせなくてもタイヤは端まで使えるという結論にたどり着きました。

 

アマリングの消し方

結論を言えばフルバンクさせなくてもアマリングは消える。どうやって消すか?答えは簡単、タイヤを潰せばいい。タイヤを潰せば接地面積も増えるから。 

…イマイチピンと来ないですか?実のところ自分もタイヤを潰すっていうのはよくわかっていないんですよね。なぜなら潰れている状態を自分の目で確認できないから。それに普通の道を常識的な速度で走っていると難しいですし。でもサーキットを走るバイクのタイヤを見ると確かにタイヤの端が潰れているんですよ。

ならサーキットを走るバイクと同じ状態に近づければいい話。前述の通りアマリングはバイクをフルバンクさせなくても消せるので、注目するのはバンク角以外。フォーム?路面?カスタム?いえ、スロットルの開度だったんです。

当たり前の話ですが、スロットルを開けるとバイクは前に進もうとします。つまり駆動輪であるリアタイヤに力が加わっているということ。ではバイクが倒れた状態でスロットルを開けると?今度は前に進もうとする力と一緒に、起き上がろうとする力が生まれます。そんな力を上手くタイヤに伝えられれば必然的にタイヤは潰れてくれるんです。

手順としては

バイクを寝かせる→スロットルを開ける→バイクが起きようとする、いわゆる立ち上がり体勢になる→それを体で抑える→バイクを起こそうとする力がリアタイヤに留まる→結果としてタイヤがたわんで接地面積が増える

という流れ。

簡単に言えばコーナーを抜けるとき、バイクにきちんと体重を乗せて、スロットルを開ける量を増やしてあげればいいということ。一度は聞いたことのある「スローイン・ファストアウト」のようなもの。無理してファストアウトにしなくても、スロットルを開ける意識を持つだけでかなり変わってきます。

こうすれば速度が出ていなくてもアマリングは消えてくれる。しかもタイヤに力が加わるからグリップ力は上がるし、なにより楽しい。アマリングを消すのと同時に、タイヤのグリップさせる感覚(トラクション)も覚えられる。まずは上りコーナーから試してみましょう!

前記事でも書いたように、マトモなタイヤで試してみてください。カチコチの古タイヤだと立ち上がりでスパッと転んでしまいます。もちろん冷えたタイヤも要注意。

 

危ないアマリングの消し方

スロットル操作もなく闇雲にコーナーに突っ込んだり、バイクを無理に捻じ込んでバンク角を稼ぐのは本当に危険。

前者は純粋に危ない。後者は遠心力とバンク角が釣り合わずに怖い思いをするだけ。

無いとは思いますが、タイヤに力を伝えようとしてブレーキをかけながらコーナーを曲がったりするのも危険。(下りでリアブレーキを残すのはまた別として)

こんなことをしなくても、普通の山道でスローインファストアウトを心掛けていれば自然に消えていきます。特にヘアピンのような低速コーナーは低い速度でも消しやすいです。

 

アマリングを消しやすいタイヤ?

タイヤによってアマリングが消えやすいかどうか違いはあるかと言われたら、あります。

やっぱり扁平率が高いタイヤは消しやすい。タイヤ形状が尖っていないので、端に届きやすいんですね。

同じ理由でツーリングタイヤも消しやすいです。ハイグリップが倒し込みを軽くするために尖っているのと反対に、安定感を重視するツーリングタイヤは平らに近い。尖っていないタイヤの方が少ないバンク角で端まで届きやすいから。

ちなみにバイアスタイヤは構造上の違いから、端まで使うのが相当難しい。もしバイアスを使っているのなら、そんなに気にするものではないと思います。

 

結局アマリングは残ってていいの?

別に良いと思います。上手さは反映されますが、多少残るのは仕方のないことでしょう。公道だとどうしても速度が足りない時もあります。それにあまり上手くなくてもサーキットに行けば一発で消えますからね。

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↑サーキット走行後のCB400SFリアタイヤ

 

でもワインディングを走っていれば自然に減っていくもの。端に数センチ残る程度。ツーリングライダーなら指二本分くらい。

残ってようが残っていまいがあまり気にするものではないです。逆にタイヤの端まで使ってるのに、タイヤ余らせてるベテランに抜かれるってこともありますので。

どうやっても消せない!今すぐ消したい!って人はタイヤの空気圧を少し減らせば自然にタイヤが潰れるようになるので消しやすいですよ(自己責任でお願いします)

あと裏技なんですけど、サーキット落ちの中古タイヤを買えば一瞬でアマリング無しになりますよ(自己責任でお願いします)

アマリングなんて、こんなこと書くくらいどうでもいいものなんですよ…

 

おわりに

アマリングは頑張って走ってもタイヤ次第で残ってしまうもの。ある程度は仕方ないと割り切っていきましょう。変に消そうと固執するより、フォームとスロットルワークを見直していけば自然に減っていくものです。

フロントもブレーキを使ってタイヤをたわませればある程度使えます。でもどうやっても端の端は余るし、ちょっと危ないので意識しない方がいいかも。

以上、アマリングについての独り言でした。

 

 

追記

ラジアルタイヤでも車種とタイヤのマッチングによってはアマリングが残る事があります。

例えば390Dukeですが、ブーツをするほど倒してもリアのアマリングが消えません。

リア純正サイズは150\60R17。

140サイズに変更すればすぐ消えるそうですが…

タイヤサイズ変更はリムサイズを確認の上、知識のある人に確認してもらいながら進めましょう。